【ネタバレ】秒速5センチメートル 新海誠のテーマは変わらずせつない

Topics

 

  1. 新海誠のテーマはここにあったのか!
  2. ネタバレ開始
    1. 第一話「桜花抄」
    2. 第二話「コスモナウト」
    3. 第三話「秒速5センチメートル」
      1. 出会いが早かったのだ。
      2. 大人の社会によって離ればなれにされてしまうことをあやまる「あかり」 くやしくても、まだどうしようもないことをうけいれられない「遠野くん」
      3. 路線図を確認して、不安でも自分だけで行ける。 そんな思春期の葛藤の裏返しもあっただろう。
      4. 離ればなれにされてしまうことを、「あかり」が泣きながら「ごめんね」と何度も伝えてきた時に、「もういいよ!」と優しくできなかった記憶がよみがえる。 「どうか帰っていてほしい」
      5. おそらく、ひとりで不安にたえて、約束がはたせるまで時間も見ないようにしていたのかもしれない。
      6. やっとつながった絆を感じながらも、これからずっと一緒にいられないという想いのほうが大きくなる。
    4. 数年の月日がすぎて、第二話の「コスモナウト」
      1. おそらく、時空を越えて続いている絆を意味しているのだろう。
      2. 的をねらって矢を射る「遠野くん」 「遠野くん」の矢の的はいったいなんなのか。 きっと本人も気がついていないのかもしれない。 それは、生きるということも同じだ。
      3. ケータイのメールは、いつも送られること無く、書いては削除されていた。 誰あてにかいているのか、「遠野くん」自身もわからなくなっていた。
      4. だれかに、何かをつたえたい。 誰に?何を?
    5. さらに数年、第三話「秒速5センチメートル」
      1. 運命の絆のいたずらなのか。
      2. 大人になったので、大人として生きている。
      3. 秒速5センチメートルでまいおちる桜のように、ひとはゆっくりと大人になっていく。
    6. そして、現世では一緒になることのなかった絆を、どこかでずっと感じ続ける。
    7. 何かをさがしているような気がする
    8. 生きていくって いったい何をさがしているんだろう
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    10. 関連

新海誠のテーマはここにあったのか!

「君の名は。」スタートですが、いまさら「秒速5センチメートル」見てしまいました。

huluでみつけたので、「秒速5センチメートル」と「言の葉の森」を立て続けにみてみました。

ネタバレ開始

おおざっぱなあらすじは、3部構成のせつない「運命」、儚い「絆」あたりをベースに、大きな流れの中にある、それぞれの「人生」を、いろいろな目線で見る感じの物語。

第一話「桜花抄」

小学校で出逢い、お互いになにかを胸に感じたまま、卒業とともに離ればなれになった「遠野くん」と「あかり」。
卒業してしばらくは、まだ電車で会いに行ける距離だったはずが、九州へと引っ越すことになった遠野くんが、あかりに会いに行くその再会の日のお話。

第二話「コスモナウト」

その後の、九州に行った高校3年生の「遠野くん」を、同級生の「かなえ」の目線で見たお話。
やさしい「遠野くん」を切ないほど好きになる「かなえ」だが、「遠野くん」自身もきづいていない「遠野くん」の中にあるなにかが、二人の距離をへだてる。

第三話「秒速5センチメートル」

そして、社会人になった3人の「それぞれの今」を、山崎まさよしの「One more time, One more chanec」でつなぐ物語。

といった、三話構成の連作アニメーションです。

主題歌

山崎まさよし
One more time, One more chance

勝手な解釈開始

「君の名は。」同様に、「絆」「運命」「時」がテーマの物語。

「君の名は。」の勝手な解釈でも上げたように、おそらく二人は、出会いと別れを何世代も繰り返し続けている、「運命の絆」におどらされているのだろう。

現世での出会いは小学生時代。
転校生同士というだけではない共通の記憶から、自然とよりそう。
しかし小学生の感性ではまだそれに気づかない。

出会いが早かったのだ。

そして、卒業、引越しによる別れ。
なんとなく、ずっと一緒にいるだろうと思っていた二人。

引越す「あかり」は、電話で泣きながらあやまる。

大人の社会によって離ればなれにされてしまうことをあやまる「あかり」 くやしくても、まだどうしようもないことをうけいれられない「遠野くん」

卒業後、何の約束をするでもなく毎日あっていた二人が、会えなくなった寂しさを感じていく。
東京と栃木という、微妙に遠い距離。
体のどこかでうずいている小さな「絆」のかけらが大きくなる。

さらに九州への引越し。
それが東京と栃木の距離を縮め、「遠野くん」は「あかり」に会いに行くことを決める。

路線図を確認して、不安でも自分だけで行ける。 そんな思春期の葛藤の裏返しもあっただろう。

雪はどんどん強くなり、日も落ち、あたりは闇になり、沿線の風景はみるみる田舎の風景になる。
電車は、広い畠のまんなかで止まる。
復旧まで数時間かかるというアナウンス。
駅の待合室で待つ「あかり」との約束の時間はすぎていく。

離ればなれにされてしまうことを、「あかり」が泣きながら「ごめんね」と何度も伝えてきた時に、「もういいよ!」と優しくできなかった記憶がよみがえる。 「どうか帰っていてほしい」

目的の駅につく。時間は23時をまわっている。
だるまストーブの待合室で、下を向きじっとすわっている少女。

おそらく、ひとりで不安にたえて、約束がはたせるまで時間も見ないようにしていたのかもしれない。

なんの声もかけられないまま近づく少年に気づき、少女は泣き出す。
少年のコートに手を伸ばし、ギュッとにぎる。

「あかり」が作ってきたお弁当をたべ、桜のような雪の下でふたりキスをする。

やっとつながった絆を感じながらも、これからずっと一緒にいられないという想いのほうが大きくなる。

それから畠の納屋で、ひとつのの毛布でひと晩すごす。
ふたりは、この日のためにそれぞれ手紙を書いていた。
しかし、それは、お互い渡すことはなかった。

渡せばそれで終わってしまうと思ったからかもしれない。
渡せばなにかが変わっていたのかもしれない。

自分の力の無さに葛藤する、そんな思春期の一夜だった。

 

数年の月日がすぎて、第二話の「コスモナウト」

コスモナウトとは、宇宙飛行士のこと。

種子島の近くの高校生になっている「遠野くん」
ときおり、宇宙から地球を見ている、おとなになった男女のシーンが入る。

おそらく、時空を越えて続いている絆を意味しているのだろう。

高校生の「遠野くん」を見つめて生きる「かなえ」の話し。

「かなえ」は活発で、いつも「遠野くん」と」いっしょにいる。
「遠野くん」はやさしく「かなえ」を見守っている。

ときおり、「遠野くん」は、ケータイでだれかにメールをしている。
そのメールが自分宛てだったらいいのにと、「かなえ」は思う。

高校では弓道をしている「遠野くん」
「かなえ」はサーフィンをしているが受験のためにしばらく控えている。

的をねらって矢を射る「遠野くん」 「遠野くん」の矢の的はいったいなんなのか。 きっと本人も気がついていないのかもしれない。 それは、生きるということも同じだ。

「かなえ」は、今日の波にのれたら「遠野くん」に告白することをきてて、久しぶりに海にでる。

見事に乗れた「かなえ」は、「遠野くん」に告白をしようとするが、いつも優しい「遠野くん」の見ている先は、自分でないことの気づき、「もう、やさしくしないで」と泣く。

ケータイのメールは、いつも送られること無く、書いては削除されていた。 誰あてにかいているのか、「遠野くん」自身もわからなくなっていた。

行きていくことの意味。

だれかに、何かをつたえたい。 誰に?何を?

 

さらに数年、第三話「秒速5センチメートル」

大人になった「遠野くん」が踏切で「あかり」のような女性とすれ違う。
ふりかえると、ちょうどちょうど電車が通る。

運命の絆のいたずらなのか。

大人になった「あかり」は、近々結婚がきまっている。
中学の頃の夢をみるが、荷物の整理をしていて、中学の時にわたせなかった「遠野くん」への手紙をみつけたせいだと思い込む。

大人になったので、大人として生きている。

会社をやめた「遠野くん」
べつの男と結婚生活をおくる「あかり」
そしていままでかかわった、いろいろな人の人生を、東京は飲み込んでいる。

秒速5センチメートルでまいおちる桜のように、ひとはゆっくりと大人になっていく。

そして、現世では一緒になることのなかった絆を、どこかでずっと感じ続ける。

 

BGMは、One more time, One more chance 。

One more chance 記憶に足を取られて. 
One more chance 次の場所を選べない

いつでも捜しているよ どっかに君の姿を
向いのホーム 路地裏の窓 こんなとこにいるはずもないのに

願いがもしも叶うなら今すぐ君のもとへ
できないことはもう何もない
すべてかけて抱きしめてみせるよ

 

何かをさがしているような気がする

生きていくって いったい何をさがしているんだろう

 

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